こんにちは!このブログではサーフィンに関連する内容の記事を書いています。
よくオフショアという言葉を耳にしますが
どういう意味ですか?
サーフィンをしていると風速や風向きを気にするようになります。風は波に大きな影響を与えるからです。では実際どんな風がサーフィンに適しているのでしょうか。
今回は風の種類と読み方について解説します。これを読めばいい波に出会える確率が上がるはずです。
風が波に与える影響
私たちがサーフィンで乗る波の始まりは はるか沖で吹いた風によってできた細かい「風浪」です。それらが集まると やがてまとまった「うねり」となり広がっていきます。
数百キロもかけて移動してきた波長の長いうねりは 浅い場所に入るとだんだん波長が短くなり海底に当たって頂上の尖った波に変わります。その角度が限界を越え 頂上が崩れることで白波となり岸に到達します。
風が波を作る要素は他にもあります。風の強さ・風が吹いた距離・風向き・うねりの向きなど さまざまな条件が重なってサーフィンにとっての「いい波」は作られます。
もちろん 潮の満ち引き・海底の地形・海岸の地形なども関わってきますが 今回注目するのは「風向き」です。
それでは どのような風がサーフィンに適しているのでしょうか。
オンショア
沖から岸に向かって吹く風をオンショア(ON SHORE)と言います。一般的にサーフィンには不向きな風向きです。
例えば南向きの海岸で 南から北に向かって風が吹くと波が押さえつけられてしまい海面も乱れます。波が崩れやすいのでアクションがしづらく 海面がザワついて波選びも難しくなります。
弱いオンショアであれば大きな影響は出ませんが 強めのオンショアが吹く日はサーファーにとって憂鬱な日になってしまいます。
また 南向きの海岸に対して南東や南西からの風をサイドオンショアといい 崩れやすい上にまとまりのない波になってしまいます。そんな日は波は諦めてパドリングの強化をしたり あえて悪い波に乗る練習をするしかありません。
オフショア
岸から沖に向かって吹く風をオフショア(OFF SHORE)と言います。サーフィンではこのオフショアがいい波を起こす風になります。
南向きの海岸なら 北から南に向かって風が吹くことで波の形を整えて鏡のようなフェイス(水面)にしてくれます。英語では「glassy:ガラス(鏡)のような」と表現し 日本では「面ツル」といった表現をします。
オフショアはただ吹けばいいわけではなく風速も大事です。波のサイズにもよりますが 風速2m/s〜4m/s がサーフィンに適した風です。早朝は気温の変化が少ないため弱めのオフショアが吹きやすくなるので狙い目です。
ですが 日中気温が上昇してオフショアが強まると崩れにくく乗りにくい波になってしまいます。波を予想する際は天気や気温の変化も少し頭に入れておくとよいでしょう。
南向きの海岸で 北西や北東の風が吹くことをサイドオフショア(サイドオフ)と言い ストレートなオフショアに比べると少し波質が落ちます。ちなみにサイドショアとは 真横に吹く風です。
天気図で風を読む
風は気圧の高いところから低いところに向かって吹きます。天気図では「高」から「低」の方向です。
ですが 北半球の場合「低」に向かうときに空気は 海上で右寄りに約20度 陸上では右寄りに約30度の角度で進んでいきます。(この少し右に向かって働く力は 地球の自転によるものです。)そのため低気圧には反時計回りで風が吹き込みます。逆に高気圧は時計回りで風が吹きだします。
低気圧の中心に近づくにつれ 風はだんだん等圧線と平行に吹くようになります。そして その風は低気圧の中心に集まっていくので「低」では風が強く吹いているわけです。
では ある日の同時刻の天気図と風と波の様子を見比べてみましょう。
日本付近には太平洋沿岸に高気圧があり 北海道には低気圧があります。矢印はそれぞれが今後移動すると予想される方向です。そして低気圧から前線が伸びています。
この日 本州は太平洋高気圧に覆われて晴れですが 東北は低気圧や前線の影響で曇りや雨となっていました。
次の画像で 同じ日の風の動きを見てみましょう。
太平洋沖の高気圧の周りは時計回りに吹き出しています。そして北海道にある低気圧の周りは反時計回りに風が吹き込んでいます。等圧線の幅は 狭いほど風が強くなることを示しています。
このように 天気図からおおよその風の流れや強さが分かってきます。
3つ目の画像は 同じ日の波の動きを表しています。
Windy を使って実際に確認してみてください。波の動きが風向きと似ていることが分かると思います。
北海道の東のピンクの部分は 波が高いことを表しています。
前線の種類 風への影響
最後に 前線について解説します。
前線は暖かい空気と冷たい空気がぶつかる境界線です。それぞれがぶつかる方向などによって風向きが変わるため 前線付近の風は予測しにくくなります。
寒冷前線
天気図上で 青い線に青い三角がついたものを寒冷前線といいます。三角のある側が暖気 何もないほうが寒気なので この三角は寒気の進路方向と考えると覚えやすいです。北半球では 常に三角が下を向いた状態になります。
冷たい空気の勢いが強く 暖かい空気を下から押し上げることで積乱雲(入道雲)を発生させます。寒冷前線は移動速度が速く この前線の付近では狭い範囲で強い雨が降ります。
寒冷前線が通過する前は南東よりの風ですが 通過した後は空気が冷やされて北西寄りの風に急変する特徴があります。
温暖前線
天気図上で 赤い線に赤い半円がついたものが温暖前線です。半円側が寒気 何もない側が暖気で 暖かい空気がゆっくり冷たい空気のほうに押し寄せていることを表します。北半球では 常に半円が上を向いた状態になります。
暖かい空気が ゆるやかな傾斜で冷たい空気の上に乗り上げるので境界面積は広くなり 温度差によって乱層雲や高層雲(どんよりしたグレーの雲)など広範囲に発生します。弱い雨が長時間降るのが特徴です。
温暖前線が通過するとき気温がゆっくり上昇し 南東寄りから南西寄りの風に変わります。
停滞前線
天気図で青い三角と赤い半円が背中合わせについたものが停滞前線です。暖かい空気と冷たい空気が同じくらいの力でぶつかって停滞している状態を言います。
温暖前線のような弱い雨が さらに長時間または数日間降るのが特徴です。代表的なものに梅雨前線や秋雨前線などがあります。
閉塞前線
青い三角と赤い半円が同じ向きに交互に並んでいるのが閉塞前線です。低気圧に近い場所でゆっくり進む温暖前線に スピードの速い寒冷前線が追いついた状態です。
温度の異なる冷たい空気がぶつかると その間にあった暖かい空気は押し上げられて消滅します。そのため閉塞前線ができると寒暖の差がなくなり その2〜4日後に低気圧が消滅します。
まとめ
サーフィンと風との関係について解説しました。
サーフィンに適した風はオフショアです。風速2m〜4m/s程度の穏やかなオフショアが吹く早朝が波が良くなる時間帯と言われています。
そして 天気図を読むことでいい波を当てることもできます。風が吹き込む低気圧の位置・風が吹き出す高気圧の位置・前線の位置などから風の動きを予想してみましょう。
天気図が複雑になると予測するのは難しくなりますが、大まかにでも知っていればいい波に出会える確率は上がると思います。大体でいいので 気圧や前線の特徴を頭に入れておきましょう。
サーファーにとって風を読むことは波に乗る以外の楽しみでもあります。海に行く前に天気図を見て 波の良さそうな場所を当ててみるのも面白いのではないでしょうか。
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