お気に入りのサーフボードに小さなキズができたとき「100均のUVレジンでリペアできないだろうか?」と考えたことはありませんか?
100均では手軽にUVレジンを購入できますが サーフボードのリペアにも使えるのでしょうか。
そこで今回は 実際に100均のUVレジンを使い サーフボードのキズを補修してみました。塗布から硬化までの工程や仕上がりを写真付きで解説します。
また 100均のUVレジンを使う際の注意点や 専用リペアキットの違いについても解説します。
※ ストリンガーやフィンボックスの破損・大きな剥離などは自分でリペアすることが難しくなります。その場合はお近くのサーフショップやリペアショップに修理を依頼しましょう。たいていのショップは他店で購入したサーフボードでも修理可能です。
100均のUVレジンでサーフボードをリペア|仕上がりと注意点
100均のUVレジンを使ったサーフボードの補修手順
【使用前の注意】
今回使用したセリアのUVレジンは サーフボード専用の補修剤ではないため この記事では小さなキズの一時的な補修として紹介します。
サーフボードの補修に使う樹脂はボードの素材によって異なります。特にEPSフォームを使用したボードへの使用は避けてください。樹脂の種類によってはフォームを溶かしてしまうおそれがあります。

↑ テールの小さなキズを補修するため 100均のUVレジンを購入してみました。

↑ こちらは 補修前のテールの状態です。細かいヒビがいくつか入っています。

↑ ヒビがなくなるところまで粗目のサンドペーパー(60〜80番)で削っていきます。テール部分の樹脂は少し厚めなので デッキやボトムに比べて削るのに少し時間がかかりました。

↑ 幸いフォームにまではヒビは達していなかったので マスキングテープで囲ってレジンを流していきます。容器の口が細くなっているので 隙間にも流しやすくなっています。
補修したあとの仕上がり

↑ 太陽光に当ててると10分もしないうちに完全に固まりました。細目のサンドペーパーで表面を整えて補修完了です。
※急激な硬化を防ぐため 作業は必ず室内か日陰で行うようにしてください。
使用したセリアのUVレジンのパッケージには 硬化方法と目安時間が次のように記載されています。
- UVライト(36W):約3〜5分
- UV-LEDライト:約2〜3分
- 太陽光(晴天時):約3〜15分
実際に試したのは10月の晴天時でしたが 太陽光に当てると短時間で硬化しました。一方で 雨の日には1時間以上置いても硬化しませんでした。
今回の実験では 小さなキズを取り除き レジンで表面を整えることができました。ただし 時間の経過による変化や 海で使用した際の耐久性までは確認できていませんので 補修直後の仕上がりとして見ていただければと思います。
100均のUVレジンをボードリペアに使う際の注意点
一般的なサーフボードのリペアでは PUフォームを使ったポリエステル製のボードと EPSフォームを使ったエポキシ製のボードで 適した補修用樹脂が異なります。
今回使用したUVレジンもサーフボード専用の補修剤ではないため 事前に製品の成分やボードとの相性を確認することが大切です。また 色付きのレジンは光が内部まで届きにくく 硬化不良に繋がる可能性があるため 必ずクリアを使用しましょう。
100均のUVレジンは 小さなキズの表面を埋める用途に使える可能性がありますが レールやノーズなど衝撃を受けやすい箇所は 補修剤が剥がれるおそれもあります。使用する場合は あくまで応急処置として考えるようにしてください。
耐久性や防水性を重視するのであれば 専用リペア用品で補修することも検討しましょう。
100均のアルミテープでサーフボードのキズを応急処置する際の注意点
もっとも簡単なサーフボードのキズの応急処置として アルミテープで一時的に覆う方法もあります。
ただし 100均のアルミテープは粘着力や強度が低いため 使用中に剥がれたり破れてしまう可能性があります。
デッキやボトムなどの平面であれば小さな穴を塞ぐことも可能ですが レールやテールなどの曲面は完全に密閉することが難しく 使用中にテープの隙間から水が入り込む可能性もあります。
フォーム内に水が入り込んだまま放置すると 素材の劣化や樹脂の剥離に繋がります。隙間ができないように慎重に貼るようにしてください。
使用する前に キズ周辺の水分や汚れをきれいに拭き取ります。しっかり貼り付けて十分な粘着力があることを確認しましょう。
そして 海から上がったら早めにテープを剥がして 浸水がないか確認し しっかり乾燥させることが大切です。必要に応じて素材に適した専用リペア剤で補修しましょう。
サーフィンでは 補修用品以外にも持っておくと便利なアイテムがいくつかあります。サーフィンに必要な持ち物や便利グッズをまとめて確認したい方はこちらの完全ガイドも参考にしてください。
サーフボードの素材とリペアに使う樹脂の違い
サーフボードのリペアでは ボードの素材に合った樹脂(レジン)を使うことが重要になります。
サーフボードの芯材には ポリウレタンフォーム(PU)やポリスチレンフォーム(EPS・XPS)などがあり その表面を覆う樹脂にもポリエステルレジンやエポキシレジンといった種類があります。
素材の組み合わせによって使用できる樹脂が異なります。100均のUVレジンや専用リペアキットを使う前に ご自分のサーフボードがどの素材でできているか確認しておきましょう。
ポリウレタンフォーム(PU)
ポリウレタンフォーム(PU)はサーフボードの芯材として広く使われている素材です。
フォームの中では比較的重さがありますが 適度な柔らかさと反発性を備えており オールラウンドな波に対応しやすいことから 多くのサーファーに愛用されています。
PUサーフボードは 芯材となるポリウレタンフォームにガラスクロスを巻き その上からポリエステル樹脂を流して硬化させる構造が一般的です。
ポリエステル樹脂は硬化が比較的早く 加工しやすいため サーフボードのリペアにも広く使われています。
ただし ポリエステル樹脂はポリエチレンフォームを溶かす性質があるため EPSやXPSを芯材に使ったボードには適していません。
自分のサーフボードがPUフォームを使った構造かどうかを確認したうえで 素材に適したリペア用品を選びましょう。
ポリスチレンフォーム(EPS/XPS)
ポリスチレンフォーム(EPS)は PUボードよりも浮力を確保しやすいことから サーフボードの芯材として使われる素材です。
小さな気泡を多く含んでいるため軽いのが特徴です。EPSを芯材に使ったサーフボードはエポキシ樹脂でガラスクロスを巻いて仕上げる構造が一般的です。
エポキシ樹脂は EPSフォームを溶かしにくく 接着性にも優れているためEPSボードの製造やリペアに使われています。
一方で ポリエステル樹脂は EPSフォームを溶かす性質があるため 誤ってEPSに使用するとフォームを傷めてしまう可能性があります。
EPSやXPSフォームのサーフボードをリペアする際は フォームに適合した補修剤を選び メーカーの説明やボードの仕様を確認することが大切です。
ガラスクロス
ガラスを繊維状に引き伸ばしたものをガラス繊維と言い 建築や自動車など様々な分野で利用されています。引っ張り強度と弾性(元に戻ろうとする性質)が高いのが特徴です。
ガラスクロスとはガラス繊維を紡糸した織布です。サーフボードを強化するため フォームにガラスクロスを巻いた上からレジンを流し固めます。
ポリエステルレジン(樹脂)
サーフボードにおいてレジンとは合成樹脂を指し 硬化することでサーフボードの表面をコーティングしています。
ポリエステルレジンはエポキシレジンに比べて強度は低くなりますが 適度な重さと柔軟性のバランスが良く 波に対して反応が良いため多くのサーフボードに使用されています。
硬化時間が短く加工もしやすいので 誰でも簡単にリペアできるのが特徴です。
数分で発熱しながら硬化し 硬化後にサンドペーパーで削ると独特のつーんとした匂いがします。
ポリエステルレジンにはポリスチレンフォームを溶かす性質があるため エポキシボードの修理にポリエステルレジンは使用できません。
エポキシレジン(樹脂)
エポキシはEPSフォーム・XPSフォームのラミネートに使用する樹脂です。
硬化時間は24時間ほどかかります。
丈夫なのでぶつけても割れることはありませんが 硬くなった分しなりを利用した加速が難しくなります。
樹脂は紫外線を当て続けると日焼けをして黄ばみますが エポキシ樹脂はポリエステル樹脂に比べて黄ばみやすくなります。
エポキシ樹脂は硬化剤の分量を正しく配合しないと硬化しません。自分でリペアするのは難しいのでプロに依頼しましょう。
ポリエステルサーフボード用のリペアキットの中身を紹介
サーフボードリペアに欠かせないものは レジン・ガラスクロス・サンドペーパーなどです。
リペアキットには簡単なリペアをするのにちょうどいい量の材料が全て入っています。
単品でも揃えることはできますが 一番安く買い揃えることができるので最初はリペアキットの購入をおすすめします。
DOPES サーフボードリペアキットに含まれる道具
| サンドペーパー | 粗目(60・80)細目(120・240) |
| マスキングテープ | 修理範囲を囲うための紙テープ |
| レジン(ポリエステル) | 樹脂の元になる溶剤 |
| 硬化剤(パーメック) | 分量をレジンに加えて硬化を促すための液体 |
| ガラスクロス | ガラス繊維でできた織布 |
| 紙コップ | レジンと硬化剤を混ぜるための容器 |
| かき混ぜスティック | 割り箸やアイスの棒でも代用できる |
| フォーム片 | 修理箇所がフォームまで達している際に使用 |
| アセトン | 修復箇所の汚れ除去やハケなどの洗浄に使用 |
| リペアテープ | 簡易的にキズに貼るアルミテープ |
他に用意するとよいものは
- ハサミ・カッターナイフ…ガラスクロスや硬化した樹脂を切り取る。
- 腕カバー付きゴム手袋/ポリ手袋…ガラス繊維の粉や樹脂が手に付着するのを防ぐ。
- エプロン…服が汚れないように。
- 防塵マスク…削った粉を吸い込まないようにする。
- ハケ…ホットコートで薄く塗るときに使う。
- パウダーセル(キューセル)…樹脂をペースト状にするための粉末。
- 木の端材…平面をサンドペーパーで削るための当て木。
などです。
⚠︎ ガラスクロスを直接触ると皮膚が数日チクチクすることがあるので ポリ手袋等の着用をおすすめします。⚠︎ 家の中での作業は削った粉塵や細かいガラス繊維が散らばるため後始末が大変です。ガレージや屋外・ベランダなどで行いましょう。
小さなキズのリペア方法を写真付きで実践!

1、割れた部分の除去
まずはヒビ・穴・樹脂の浮きなどが無くなるところまでサンドペーパー(60〜80番)で削ります。

サンドペーパーをかけずに樹脂を乗せると剥がれやすくなってしまうので キズより1〜2cm広めに削り ケバ立ちがなくなるように表面を整えます。
⚠︎ ポリウレタンフォームが水を吸っている可能性がある場合 フォームが見えるところまで削り 十分乾燥させて中の水分を蒸発させましょう。
2、マスキング
直したい箇所よりも少し広めにマスキングテープで囲いを作ります。

テープを山折りにして壁を作ると樹脂が流れるのを防ぐことができます。今回は少し大げさに貼ってみました。
3、レジンの計量
クリアレジンの缶を軽く振ってから紙コップに注ぎます。

今回は小さい穴なので10gで十分です。
4、硬化剤の計量
樹脂を固めるための硬化剤を計ります。(目分量でも大丈夫です。)

この日の室温は23度だったので 10gのレジンに対して0.1gの硬化剤を入れました。
上の写真はサーティワンのスプーンですが 硬化剤の量はこのスプーンで半分弱です。
夏など気温が高いときは早く固まってしまうので硬化剤の量を少なくしてください。
ポリエステル樹脂と硬化剤の比率の目安
| 温度 | 樹脂の量 | 硬化剤の量 |
|---|---|---|
| 5℃〜10℃ | 100g | 1.5〜2.5cc |
| 15℃〜20℃ | 100g | 1.0〜1.3cc |
| 25℃〜30℃ | 100g | 0.5〜0.7cc |
5、混合
レジンと硬化剤をよく混ぜます。
多く入れすぎると高温で発熱するので気をつけましょう。

6、樹脂の塗布
リペア部分に少量の樹脂を塗ります。
硬化してしまう前に手早く塗っていきましょう。

7、ガラスクロスを乗せる
穴より少し大きく切ったガラスクロスを 塗った樹脂の上に乗せます。

その上からもう一度樹脂を塗り 軽く押さえつけて樹脂とクロスを馴染ませます。
くぼみが深い場合は ガラスクロスを何枚か重ねて穴を埋めてもOKです。
8、硬化
5〜10分ほどで手につかない程度に固まります。
完全に固まる前に 余分な部分をカッターで切っておくと次の作業がラクになります。
一日置いてしっかり乾燥させます。
9、サンディング
完全に乾いたら(60〜80番)のサンドペーパーで面が揃うところまで削っていきます。

平面的な箇所には当て木を使い レールなどの曲面は指で持ってサンドペーパーをかけます。
細目(120〜240番)のサンドペーパーで表面を整えます。

10、ホットコート
ホットコート(ツヤのあるコーティング)をしていきます。

周囲にマスキングテープを貼り 樹脂に硬化剤を混ぜたものをハケなどで薄く塗ります。
さらに一日乾燥させます。
11、仕上げ
完全に乾いたらマスキングテープを剥がし 細目(120〜240番)のサンドペーパーで当て木をして凹凸がなくなるまで粗いキズが消えるまで削っていきます。
仕上げをする場合は 320〜600番(別売)の耐水ペーパーで表面をきれいにして完成です。

まとめ
最近ではアクセサリー作りなどの材料として ダイソーやセリアなどの100均でもUVレジンが売られています。
UVレジン(ソーラーレジン)は 紫外線が当たることによって短時間で硬化する特殊アクリレート樹脂です。
最近人気のソフトボードや 丈夫なエポキシタイプはあまり修理する機会はありませんが 従来の製法で作られたポリエステル樹脂のサーフボードは軽い衝撃を与えただけでも穴が空いたりヒビが入ります。
そして 穴が空いたままにしておくとサーフボードは重くなったりバランスが悪くなったりするのでサーフィンに影響が出てしまいます。
ポリエステルのサーフボードをお使いでしたらリペアキットは持っておいたほうが便利です。
そんなに難しくないので 穴や大きなへこみを見つけたら すぐに乾燥させて自分で修理してしまいましょう。

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